2026/10/12 19:06

自分にとってはとても大切なキーワードでして。洋服を選んだり、物事を考えたりするときには、必ずと言っていいほど、その思考が顔をだしてきます。
なんなら、商品を選ぶときに、その「ロックな」思考を感じられないものは、「ピン」ときません。まあ、必要なものは買うわけですが、(笑)
みなさんは「ロック」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
当たり前くらいの勢いで使っている、そのジャンルを示す言葉ですね。
じゃあ、「ロック」ってなんなの?
というように思考が進みます。
ロックとは何か
ロックと聞くと、歪んだキターや速いドラム。激しいパフォーマンスのミュージシャンを思い浮かべる人は多いでしょう。
しかしロックは、アップテンポな曲を指す言葉ではないと、あえて断じたいと思います。
ロックとは何処から始まったのか
①音楽の始まり
ロックミュージックの源流は、アメリカの黒人音楽である、ブルースやゴスペル、リズム&ブルースと、カントリーミュージックが出会ったことにあると言われています。
1800年代後半、それまでの音楽は、聖歌隊やオーケストラのような決められた音楽でした。音楽はCDやストリーミングといった個人で楽しめるものではなかったのです。
金銭面で余裕のある階級人々はそういったところで音楽を楽しみ、労働者階級の人々は教会などで耳にする程度でしょう。

②音楽が身近に楽しめる時代に
音楽が身近になってきたのは、ほんの100年ほど前です。
例えば、ギター。1800年代に原型があったそうですが、音量が大きくなるように作られたアコーステックギターが広まり始めたのは1900年代初頭です。
蓄音機やレコードが普及したのも同じく1900年代~1920年にかけてですね。ラジオも1920年代といわれています。
1920年頃になってようやく離れた場所で、個人が音楽を聴けるようになりました。

③様々な音楽が流れ、音楽同士が出会う。
1950年代には、アフリカ系アメリカ人が育んできたリズムや歌い方が、若い世代を中心に広く聴かれるようになりました。
代表格は"チャック・ベリー"でしょう。独特のギターと、ストーリー性のある歌詞は、ビートルズのジョン・レノンをしても、
「ロックンロールに別名を与えるとすれば『チャック・ベリー』だ」と言わせたほど。
まさにターニングポイントです。

また、エルヴィス・プレスリーも、ロックンロールを大きな人気へと導いた重要人物です。
その成功の背景には、黒人ミュージシャンが生み出した音楽が白人の若者にも広がっていく、当時の社会の変化がありました。

ロックの歴史には、音楽の革新とともに、人種や文化の境界をめぐる現実も刻まれています。
当時の社会事情
ここで、音楽から距離を置き、当時のアメリカの社会事情を観てみます。
当時のアメリカでは、世界恐慌や軍や政治の圧力も強く、市民には厳しい現状がありました。1900年~1950年頃までは戦争も多かった時期ですので、不安や不満が市民を襲っていたことでしょう。

そんな時に生まれた文学・社会運動に"ビートニク文学"があります。
ビートニク文学
ビート運動は、1930年代に始まったというより、中心人物たちが出会った1940年代から形づくられ、1950年代に広く知られるようになった文学・社会運動です。ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズらが代表的な作家として挙げられます。

ケルアックの『オン・ザ・ロード』は、旅と自由への憧れを描いた小説です。ギンズバーグの詩「吠える(Howl)」は、社会からはみ出した人々の声を大胆な言葉で表しました。彼らは、整った形式や社会が求める生き方に収まらない表現を追い求めました。
この文学がロックを直接生んだ、と言い切ることはできませんが。。。
私個人としては、この文学とロックは繋がっているとあえて言います。

ロックには、ブルースやゴスペルなど独自の音楽的なルーツがあります。
ただ、ビートの作家たちとロックのミュージシャンには、「決められた型に従うだけではない」という共通の気配がありました。ビート文学は、音楽や若者文化と響き合いながら、後のカウンターカルチャーにもつながっていきます。
1930年代はビート運動そのものの始まりというより、世界恐慌など社会の大きな変化が起きた時代です。そうした時代の経験や、その後の戦争、戦後の社会への違和感を背景に、1940〜50年代の作家や若者たちが既存の価値観を問い直していきました。
ロックは「考える音楽」にもなった
1960年代になると、ロックは恋愛やダンスの歌にとどまらず、社会や個人の問題を表す場にもなっていきます。その変化を象徴するのがボブ・ディランです。
フォーク音楽の伝統を背景に、戦争や社会の不正、個人の迷いを歌にしました。ディランの登場によって、ロックの歌詞は文学や詩のように読み込まれるものにもなっていきます。

ビートルズも、若者文化を大きく変えた存在です。
初期の親しみやすいポップソングから、アルバム全体で世界観を表現する作品へと幅を広げ、ロックが「聴いて踊る音楽」であると同時に、「作品として味わう音楽」になっていく流れを後押ししました。

もちろん、ロックがいつも政治的な主張をしているわけではありません。
恋の歌も、失恋の歌も、ただ音に身を任せるための曲もあります。
しかし、やや斜めから見た意見になりますが、不安定な社会事情をもつ地域から、「負けないぞ!」と、ロックな叫びは聞こえてくるようにも感じます。
誰の声を音楽に乗せるのか、どんな生き方を肯定するのか、何を美しいと感じるのか――
そうした選択に、時代へのまなざしが表れることがあります。
ロックとは、自分の声を見つけること
さて。ロックについてですが・・・
ロックとは、速くて大きな音のことだけではありません。
ブルースやゴスペルから受け継いだ響き、既成の枠に収まらない表現、そして自分の感じたことを自分の言葉で届けようとする姿勢。
その重なりが、ロックを形づくっていると思います。
だから、静かな曲にもロックはあります。社会に問いを投げる歌にも、誰にも言えなかった気持ちを歌う曲にもあります。
大切なのは音量や速さだけではなく、「この表現は、何を伝えようとしているのか」と耳を傾けること。
ロックは音楽のジャンルであると同時に、時代の中で自分の声を探し、鳴らしてきた人々の歴史なのです。

自分は、この部分を感じ取って、商品を選びたいのです。
それを作り上げた人が、デザインした人が、いったいどの様な考えの元、こうしたのか。
真摯に向き合って生み出されたものには、確かにロックを感じられます。
量産品・コストダウン・合理化といった言葉が聞こえる現代社会では、真逆かもしれませんが、やっぱり「ロック」が好きですね(笑)

